2012-04-02
興味や関心を持つことで人は心豊になるもの
物事には結末があり、その過程の中に原因・動機・結果を踏まえます。
結果を重視するのかその過程を重視するのかは人それぞれですが、全てに結末は訪れるのです。
先日、東京大学名誉教授・有馬孝禮さんの講演を拝聴する機会に恵まれ、その内容が非常に興味深いものでした。
結論から言いますと、「鉄やコンクリートの住宅では子孫が絶える可能性がある」ということです。
実験はマウスを用いての生存率の測定です。
木造の環境、鉄骨造環境、コンクリート造環境、３つのケージそれぞれにマウスを住まわせた結果が下記の通りです。
鉄骨やコンクリート造の生存率が著しく低いのがおわかりでしょうか。
さらに、各ケージのマウスの臓器の重量を測定しての比較実験です。
その中でも特筆すべきは、生殖器の重量です
雄は精巣、雌は子宮と卵巣の重量が軽く、臓器の発達が悪い事がわかりました。
有馬教授は「あくまでマウスの実験」と付け加えておられました。
上記をふまえ、ここで一つ仮説の提唱です。
日本経済における深刻な問題の一つとして挙げられるのが「少子化問題」。
その原因として一般的には女性の自立。即ち女性の高等教育化により経済的にも自立できるようになり、男性に依存する必要がなくなったことによる晩婚化・未婚化と言われています。
角度を変え、住環境に何か要因はないのでしょうか？
下図は日本の総人口の推移をグラフに表したものです。
（統計局 総人口推移より抜粋）
昭和５０年あたりから高齢化が、６０年あたりから少子化が進んでいます。
「住宅産業の観点」から、この間に何があったのかと考えてみますと、そこには「昭和５５年」というキーワードを見つけることができます。
皆さんは「ハウス５５」という国をあげての国家プロジェクトをご存知でしょうか？
大手ハウスメーカー・プレハブメーカーが主となり、一般住宅を新建材で安く、より多く広める為に行ったプロジェクトです。
その後、瞬く間に新建材の住宅が主流となりました。
マウスの実験を思い出して下さい。
新建材で囲まれた住宅、そこへ住む人々の生殖能力がマウスの実験のように低下しているのだとしたら？
これはあくまで「可能性」の話です。
私の見解ですが、その因果関係を私は否定できないのです。
いずれにせよ自然界に元々ある無垢材を使用し、住環境にあてはめておけば少なからず人体への悪影響を免れ、健康で快適な生涯を送る事ができると言えるでしょう。
また、無垢の材料には自然界で培った太陽の光や野山の土・水などのエネルギーをたっぷりと蓄えています。
そのエネルギーに満ちた材料は人間の肌に触れる場所に多様することで私達にも生命のエネルギーを与えてくれるのだと思います。
その材料を私達は「生命材料」と呼びそれらを利用した家づくりを「生命の家づくり」として広く伝えていきたいのです。
