2021-01-01
丑もはばたく
新年明けましておめでとうございます。
本年も当ブログをご愛顧の程、どうぞよろしくお願いいたします。
新しい年を迎え、あとひと月経てば私は満70歳。
この歳になると、過ぎ去った人生についてあれこれと考えてしまう機会が増えてきます。
人生の良し悪し、妥当な人生観、思想や哲学、どれもみな人によりけり。
100人いれば100通りの人生があるのですから。
しかし、誰しもが共通して願う事。
それは、「充実した楽しい人生」を送ることではないでしょうか。
私自身、人生を振り返れば苦難や立ちはだかる壁の連続だったように感じます。
それでも私は「充実した人生を歩いてきた」と感じています。
そう思えるのは、苦難や立ちはだかる壁を乗り越えた時の「喜び」や「楽しみ」がそれ以上に待ち受けていたからにほかなりません。
この歳になり「充実した楽しい人生を送る」コツ、それがようやく理解できたように思います。
そのコツとは、「本物の人」に出会い、「本物の人」のルーツを辿り、「本物の人」に感動する事。
それが、苦難や立ちはだかる壁を乗り越えられる要因になりうるのです。
幸運にも私は、世界的建築家・安藤忠雄さん、世界的デザイナー・コシノジュンコさん、経営の神様・船井幸雄さんをはじめ、多くの「本物の人」たちに出会う事ができました。
「本物の人」には、自分にはない秀でた才能があります。
そんな人と同じような才能が身につくのであれば、また違った人生を歩める気がしてならなのです。
本物の生き様を学び、感動する事。その経験が自分の糧となり人生において良い影響をもたらせてくれると信じています。
夢ハウス第一号のお客様であり恩師でもある中村先生。
40数年前より社会人として人生の達人として心得をご指導頂きました。中村先生なくして今の私はないのです。
誰からも好かれ、先生の事を悪く言う人にこれまで出会った事がありません。
また、「中村先生が紹介する人ならば、赤塚さんお願いします」と何人ものお客様を紹介していただけるほど、人望の厚い「本物の人」でした。
先生の奥様から、こんなお話を伺った事があります。
「赤塚さん、うちの主人不思議なんです。私の友達が遊びに来た時、私がお茶入れしている数分の間で、主人は私の友達と初めて会ったのにまるで20年来親交のあるような会話をしていたんですよ」
先生の周りにはいつも人が集まり、一緒に夢ハウス友の会の旅行へ行った際には、道中常に女性に囲まれていたのが印象的でした。
そんな時、先生の会話を耳にし、その「本物」の秘密が少し紐解けたように思いました。
「あなたは誰よりも気配りがいき届いてすごいね」
「あなたは相手の思いを汲み取るのが上手だね、すごいね」
誰しも褒められて嫌な気持ちになる人はいません。むしろ自分を肯定し、認めてくれた思い、褒めてくれた人を好意的に思うのが人間です。
洞察力を持って相手の特徴を把握し、その人の良い所を探し「褒め称える」ことで、先生は円滑な人間関係を築いていたのです。
生前、中村先生からこんな体験談を語っていただきました。
定例の職員会議、意見の相違で長い間決まることのない議題がありました。
持ち回りで中村先生が議長を務めた時、賛成派の中村先生は反対派の意見を否定せず、さらに相手を褒め称えました。
「まだ若いのにこれほどの意見をお持ちのあなたはすごい」と。
その後、向かってきた槍は矛先を変え、長い間決まることのなかった議題はあっけなく可決されたそうです。
的確に人を褒め称えることができれば、円滑な人間関係を築くことができます。
この術を身に着ければ、相手の長所はもちろん自分の長所や短所にも目を向ける事ができるようになることでしょう。
「本物の人」と出会えたなら、その人の良い所を学んでみる絶好の機会ではないでしょうか。
「この人から多くを学び、得られるものを何か一つでも自分に吸収してみよう」
その姿勢を私は常に心掛けています。
趣味ではじめたモーターパラグライダーも気付けば6年の歳月が流れました。
毎度約30㎏はあるエンジンを担ぎ走りまわるのですが、5年前に比べれば足・腰、体力面で違和感を覚えてしまいます。
あと何年この調子で趣味を満喫できるのか、そう不安に感じる事もありました。
その度に、私はある人を思い出します。
その人とは、77歳で空を飛ぶことに挑戦し、1年間練習を重ね78歳にして悠々と空を飛び回る超人・遠山さん。彼もまた「本物の人」。
歳を重ねた人が新たな事を始めるチャレンジ精神、またその原動力となるエネルギーは一体どこからくるのでしょう。
身近な遠山さんをお手本に、体力の維持、不屈のチャレンジ精神を絶やさぬよう精進してまいります。
70歳という節目の年、「楽しく良い人生を送る」コツで公私共にまだまだ大きく羽ばたきたいと思っております。
まさに、「飛翔」の年が今スタートしました。
