2011-02-28
見えるもの、見えざるもの ― 後篇 ―
安藤教授は日本の山林育成から木材乾燥・軸組の構法まで、木材に関するあらゆる研究の第一人者であり農学博士。
相馬助教授は木材乾燥のあり方を今も日々研究し続けている現役の研究者。
今回お二人の訪問目的は、
山林の育成から伐採、製材、乾燥、加工まで自社で行う一貫生産システムの視察。
全国的にも珍しい取り組みが、国・行政・諮問機関・大学と広く伝わり
今回のような出会いが実現しました。
東港に移設された7000坪のプレカット工場の事務所で、まずはお茶のみ話から始まりました。
話題は自然と昨年10月に施行された『公共建築物木材利用促進法』と法律の話に。
これから建てられる低層(3階建て以下)の公共建築物は原則として木造とするこの法律。
私は先生にこんな疑問をぶつけてみました。
赤塚「これから公共建築物への木材需要が一気に増えると供給体制は大丈夫なんですか?それも乾燥材で。」
安藤「JAS認定工場からの出荷に頼るしかないでしょうねぇ。新たに基準をもうけることも、設備を充実させることも現実難しいでしょうから、現状のJASの基準をルールに出荷していくのが無難でしょう。」
赤塚「瑕疵担保責任の法律で、乾燥木材もますます重要視されていきますよねぇ。」
安藤「需要が生まれ、材木業界が活性化することはよいことですが、きちんと品質管理ができない企業・材木業者・工務店は淘汰されていく厳しい時代になるでしょうね。」
この後、プレカット工場・床板工場・製材工場・各モデルハウスを見学していただきました。
専門家として加工製造ラインに驚かれていたのはさることながら、
モデルハウスでは統一された無垢の部屋のデザインと1000種にもおよぶオリジナル建材の製造、壁紙から薪ストーブの開発までの話に
安藤先生もただただ驚くばかり・・・。
様々な感性が私と共通する安藤先生。3月に行われる夢ハウスビジネスパートナー総会の特別講演の依頼にも快く応じてくださり、東京へと戻られました。
この出会いはこの先、木材業界が変革する第一歩となるかもしれません。