2011-03-28
本当のCS
この度の東北地方太平洋沖地震により被災された皆様にお見舞い申し上げます。
被災地の皆様の一日でも早い復旧を心よりお祈り申し上げます。
■本当のCS
CS(Customer satisfaction)=顧客満足度
先日、東海ではトップクラスの工務店にお邪魔しました。その会社の企業理念は『顧客満足』俗に言うCS(Customer satisfaction)です。
さすがに地域ナンバーワンのビルダーだけあり、その徹底ぶりには驚きました。スタッフ全員の気持ちの良い挨拶、ゴミ一つ落ちていない建築現場、我が社でも見習うべき発見があり、大変勉強になりました。
しかしその後、築半年の展示場を訪ねたとき、私は理念と作品のギャップに愕然としました。
無垢の木をふんだんに使った展示場は、至るところ隙間だらけ。未乾燥な木材を多く使ったのでしょう、狂いや伸縮がとても激しいのです。
1mm~1.5mm以上縮んでいる柱、2mm以上縮んでいる床板など。ものづくりの職人としては、その隙間たちが気になって仕方ありませんでした。
広いLDKの柱が20本。1本の柱で2mm縮んでいるとするなら4cmの隙間が空いていることになります。それはもう隙間ではなく開口部と等しいでしょう。これではいくら高気密・高断熱住宅といっても何の意味もありません。
前回も述べた『瑕疵』を思い出してください。構造上主要柱が痩せて縮み、壁の中に隙間風が入る。すると内部結露を引き起こし、木材を腐らせ耐震強度を失う。そんな『瑕疵』になるものを販売してはならないという法律を、しっかり理解していないつくり手が沢山いることを再認識しました。
つくり手が人間である以上完璧なものはできません。しかし、完璧に近づける努力はできるのです。それが極限まで木の狂いをなくした、私たちの木材乾燥技術です。
挨拶や掃除、整理整頓も確かに大事です。しかし、それは当たり前のこと。私たちものづくりの人間が、何よりも一番にお客様を満足させるには、まず良い作品をつくることでしょう。
お客様が安心して、永く住まうことのできる住宅を提供してこそ、本当の「CS(顧客満足)」と「感動」を与えられると思うのです。