2016-09-15
感動や刺激を求め続ける人生でありたい。チャレンジし続ける私の人生経験を伝えたい。
突き抜ける鮮やかな蒼天は、一途に想う高揚感。
内に秘めたる探究心が目的地へ駆り立つ。
滴る汗も気付かぬ程、夢中にただ夢中に・・・
呼吸を整え颯爽と駆ける林道、逸る気持を抑えるように緑風が我が身を包む、緩やかな傾斜でペダルを大きく踏み込めば、目的地までもう間もなく。
息急き切らし、万感の思いで辿り着いた先は、内の倉ダム。
スカイブルーに透き通る水面、眩しく飛び交う光。
見渡す限り深緑の木立、響き渡る蝉時雨。
そこに求めていた夏を探しあてたのはつい先日の話。
今年の秋は、夏の残暑というよりは9月の猛暑。
しかし、夜も更ければ秋の声、鈴虫たちの羽の音色に夜の長さを覚えます。
季節と季節を紡ぐ糸。
齢60を過ぎた頃より、自然(季節)の微妙な変化を音や匂いで敏感に感じとれるようになりました。
これは人生経験の賜物です。
20代の頃に比べれば60代の私は一日の経過速度は3倍に感じます。
若い頃は新しい出逢いや発見が多く、多くの情報を得て毎日が刺激的でした。
また、精神的にも勉強や仕事、家族や家庭から、苦悩や感動など様々な経験を積むことができるため、一日一日が充実感に満たされ、一日の時間経過が長く感じます。
60代の今、若い頃のように感動や刺激を得る機会は少なく、一日の時間経過は短くなりましたが感性はより豊かになり、研ぎ澄まされた様に感じます。
感動と刺激は、精神を若く保つ為の秘訣。
研ぎ澄まされた感性は、脳と五感を若く保つ為の秘訣。
素直に、これからの余生を感動と刺激を求めつつ、楽しめればいいと思う反面、次の世代に感動と刺激を与える側にいなければならない使命とも思える感情もあります。
私がそうであったように、若い頃の感動は心を奮い立たせ、時に大胆な行動を起こせる勇気が湧いてきます。
その行動の結果はどうであれ、人生において大きな成長になることは間違いありません。
感動・刺激を与えてくれる、その目標となるような講演が先日行われました。
9月5日・6日の2日間、第19回夢ハウスビジネスパートナー総会は、北は北海道、南は沖縄まで約400名もの建築のプロが参加する、年に一度の全国大会です。
今年の総会のメインは2日目。
文化勲章受賞、世界的知名度の建築家・安藤忠雄さんに今年も特別講演をしていただきました。
およそ1時間30分の講演では、エネルギッシュで熱い口調に参加者すべてが引き込まれました。
人を魅了し、感動させるには、人よりも秀でた生き様が必要なのではないでしょうか。
語り部として話をする時、生き様の深みと感動は比例します。
逆境に挑み、苦しみ悩んで乗り越えてきた経験と努力。
安藤忠雄さんのこれまでの生き様による人柄の深みが、講演に迫力と説得力を持たせ人の心を動かし、奮い立たせていました。
ですから講演後、終わりを惜しみ「また是非聴きたい」「とても参考になった」と賞賛の声が相次いだのでしょう。
これから先、どれだけの生き様を私は次世代に語りかけていくことができるでしょうか。
人生は1度きり、必ず終わりがあり、そこまで平等に時間は過ぎていきます。
その事を忘れて生きている人がまだまだ多いように感じます。
今日という一日が「平凡」であることがもったいない。私自身、これからも一日一日、感動や刺激を求め続ける人生でありたい。特に、これから未来を担う若者にチャレンジし続ける私の人生経験を伝えたい。そして、己の歴史を築いていってほしいと願うのです。