2016-10-06
チャレンジすることが幸せへのはじまり
誰もが「幸せ」になりたいと願うのは当たり前の事だと思います。
皆さんが思い描く「幸せ」はどんな形を思い描くのでしょうか？
一言で「幸せ」と片付けても、人それぞれ「幸せの価値」は異なります。
例えば、子を授かり、健やかに育てる事を生涯の幸せと感じる人もいれば、一人気ままに自由を満喫するのが幸せだと感じる人もいるでしょう。
好きな食べ物をお腹一杯食べた時に感じる幸せは、私たちのように豊かな国で暮らす者と、生を受ける場所を選べなかった貧しい国で暮らす者とではその価値は大きく異なる事でしょう。
何をもって「幸せ」と思うのか、それはきっと今まで歩んできた人生、そしてその人生観に基づいているのだと思います。
十人十色である理由は、人それぞれに立場や境遇が違うからなのでしょう。
しかし、「幸せ」を感じる人には共通する点があります。
それは、大なり小なりの困難を乗り越えてきたこと。
また、その困難が大きければ大きい程、それを乗り越えた時に感じる「幸せ」は比例します。
夢ハウスの従業員で一級建築士に挑戦した者がいます。
2度失敗している彼に「諦めるな！頑張れ！」と声をかけ続けました。
3度の挑戦の末、見事合格。多忙な業務の合間を縫ってようやく手にした国家資格。
その過酷さを物語るかのように当初より体重を10ｋｇも落としていました。
現在の彼は、精悍な顔つきで大きな仕事も任せられる逸材になりました。
目標に向かい、苦しみ、もがき、それを達成した時の心境は何物にも替えがたい喜びになります。
それは、困難を避けて通る人生では味わえないものです。
また、自らチャレンジする困難と、人から与えられた困難では、また違う結果となるでしょう。
人間の器の大きさとは、多くの困難を自ら乗り越えてきた経験値の大きさなのではないでしょうか。
私も齢65。
雑誌ではこの年は「老人」「シニア」と記されている事に衝撃を受け、街に繰り出せば「シルバー割引」という言葉に身構えてしまいます。
毎朝、闇を押しのける淡い光と共に目覚め、まるで油切れをした自転車のように動きづらい身体を数分ほぐし、湯船に浸からなければ本格始動しない身体。
精神はいつまでも若いままですが、身体はいつまでも若くはないようです。これを現実として受け入れ、プライドさえ捨ててしまえばシルバー割引のような優待も社会が助けてくれていると、甘んじてその恩恵にあずかる気にもなってきます。
起業してからの黎明期、当時から支えてくれたお客様とのお付き合いは実に40年近くになります。
私自らバスを運転し、北は利尻礼文島、南は鹿児島知覧平和記念館、一日に1200キロも運転した事だってあります。
お互いに年輪を刻めば、寂しい事に最期を見届ける機会も増えてきました。
私が若い頃に経験してきた苦労や困難を乗り越えられたのは、一重にお客さまあっての事です。
喜びや感動を共有してきた思い出は私の財産として会社の歴史基盤となっています。
また、その人生観が多くの若者たちに伝え、理解してもらえたなら会社トップとしてこの上ない「幸せ」だと思います。
既に一線から少し距離を置いたプライベートの私は、空いた時間をみつけてはロマンを求め大空を翔けています。パラグライダー日本チャンピオンのような技術を身につけ、老いを感じさせない飛び方を求める事は、今の私にとって相当な訓練です。
何百時間のフライトを経験しても、飛び立つ直前は今でも緊張しますし、地に足をつけた時の安堵感と達成感は、言葉に表せないほど幸せを感じるひとときです。
どんなに困難でもどんなに老いてもチャレンジする事に意味がある。
だってそうでしょう、「苦しみを伴う困難のはじまりは、同時に幸せへのはじまり」なのですから・・・
